2014年08月05日

第34回 リコピンフォーラム「ダイエットのための睡眠」

第34回 『ダイエットのための睡眠』

今回はダイエットに深く関わっている「睡眠」を掘り下げます。まず、睡眠が脳(大脳)の休養に必須であることを知りましょう。サーカディアン・リズム(既日リズム)、メラトニン・コルチゾールなどのホルモンや免疫能はじめ、睡眠の役割を考えたいと思います。ウエルネス・ダイエット(心身の健康)に関わり、食生活と並んで健康維持に影響ある睡眠についてグッド・スリ―プアドバイザー(認定)の立場から解説します。

1. 25時間時計(体内時計)
私たちのカラダには時計(体内時計・生物時計)があるといわれます。この体内時計とは、一日24時間ではなく25時間で刻んでいて、生物の生命活動に関わる、いわば「生命維持時計」であるということです。
脳幹深くにあるこの生物時計はメラトニンというホルモンに関係しますが、光と闇に反応して「生物時間」を刻んでいます。メラトニンは主に脳の「松果体」という細胞で分泌されますが、細胞の抹消(皮膚)でも微量が分泌され、眼だけではなくカラダ全体で光を感じ、生物として昼夜の行動を促しているわけです。なお、メラトニンのサプリメントは時差ボケ解消や不眠解消に使われますが、日本では医薬品(米国では健康食品)のため、自由に入手することはできません。
さて、「朝陽とともに起き、夕陽とともに寝る」生活をしている地域が今もアフリカなどにあります。生物時計は光に反応する時計ですから、これこそ生物本来の健康生活ともいえるでしょう。その反対に、昼間寝ていて、暗くなって活動する生活は不健康な生活だといわざるをえません。それは、生物は暗闇とともに生物時計によって心身の緊張が解かれ、活動的でなくなるようにできているからです。光ある昼間と異なり、夜になると体温や血圧は低下し、神経は緊張をほぐす副交感神経に支配され、カラダ全体をリラックスさせます。このとき、メラトニンの分泌量は高まり、生物として休息を促し、カラダの平穏(ホメオスタシー;恒常性)を保つように働いています。このことは、私たち生物には光ある昼間に活動し、光ない夜間に休息(睡眠)するという「生物時間」が本来的にインプットされているということです。それに逆行する生活は不健康であるといっていいわけです。
また、現代は昼夜の境目ない社会になりつつあるわけですが、近年、夜間勤務また昼夜交代勤務を長く続ける人は、昼間勤務の人より「がん発症率が高い」ことがWHOから公表されました。メラトニンは暗くなると休息を誘導するホルモンですが、こうした勤務群では休養を促すメラトニンの分泌を抑えてしまう生活といえ、生物的には健康生活とはいえないわけです。これに関連して、米国・シカゴ大学医療センターから(動物実験)断続的な睡眠は腫瘍を増大させるという研究報告がだされています。私たち生物は朝になると(光が増えると)メラトニンの分泌量が低下し、今度は心身の緊張を高めるコルチゾールというホルモンや交感神経に支配され、心身の緊張を高め、活動力を高めるのです。生物としての人間は、光(生物時計)、そしてメラトニンやコルチゾールにコントロールされて恒常性を保っているというわけです。 

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2. ダイエットと睡眠(大脳の休養)
さて、睡眠はなぜ大切なのか、まず大脳の休養といえるでしょう。私たちの思考をつかさどる大脳は、休養しないと本来の機能を発揮できないのです。連続した思考ができない(思考がつながらない)、思考回路が正しく動かず、適切な判断をできなくなるなどです。これは、大脳疲労によって脳神経(ニューロン)が一時的に変性し、生物としての適切な判断ができなくなるということです。ですから、生物時計は暗くなるとメラトニンを分泌させ、睡眠を誘導して大脳に休息を命じるわけです。
睡眠はダイエット(カラダの健康)にもおおいに関係します。動物実験で数多く報告されていますが、人でも報告があります。米国・コロンビア大学の研究報告では、16歳から21歳に至るまでの睡眠時間と肥満の比較研究です。これは10代後半の睡眠不足は肥満につながりやすく、10代は8時間以上の睡眠が必要であると結論しています。また、睡眠不足、睡眠障害の継続は2型糖尿病を発症させたり、肥満など代謝疾患を誘引するという、ドイツ・イギリス・スイスでの国際研究が報告されています。また、光による生物時計によって私たちの遺伝子(DNA)が規制されているという研究(イギリス・サリー大学)があります。これは22人を一日28時間の人工的環境下で生活させ、遺伝子発現がどう動いたかを調べたものです。昼夜は一日4時間ずれていき、それによってDNAの発現機能が障害され、サーカディアン・リズムが混乱することがわかっています。
さて、300名の女子大生を対象に睡眠の質と体脂肪の付着について研究した米国・ブリガムヤング大学の報告があります。睡眠時間が6.5時間以下と8時間、就寝および起床時間の変動幅が60分以内と90分以上という比較研究です。それによれば、睡眠時間は8時間〜8時間半以内、就寝および起床時間の変動幅が60分以内であることが体脂肪がつきにくいという結果でした。とにかく、よく眠ることが肥満防止になるという研究結果は数多く報告されています。ですから、ダイエットは「宣伝だけの疑似ダイエットサプリ」などよりも「食生活・運動・睡眠」の改善が大切であることはおわかりいただけると思います。
やや専門的になりますが、体脂肪はエネルギーの貯蔵庫です。私たちの生命活動エネルギーは、余分な糖質や脂肪が脂肪で蓄積されるのですが、エネルギーがたくさん必要なときはその脂肪が酸素で燃やされ、エネルギー源(ATPというエネルギー)として合成されます。そして、それが分解されるときにエネルギーを生み出します。しかし、必要以上に脂肪が蓄積するのは肥満に繋がりますので、脂肪細胞は自ら脳の食欲中枢に食欲を抑えるよう「レプチン」という伝達ホルモンを出します。そうやって、食べ過ぎを抑制しようとします。ところが、睡眠不足が続くとレプチンの伝達能力が低下し、食欲抑制の指令が脳に届かないことがわかっています。糖尿病はエネルギー過剰が大きな原因の一つですが、このレプチンに関する研究が進み、コントロールする糖尿病治療薬も販売されています。肥満と睡眠不足の相関が強く指摘されるわけですが、睡眠は生物時計のワザ、生物の恒常性を担うホルモンバランスに大きな影響を与えるのです。よき睡眠こそよきダイエット、そう知っておきたいものです。
                                               (第34回 完)







posted by 高原裕一 at 21:03| ダイエット&ウエルネス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月18日

第33回 リコピンフォーラム 「再び、疑似ダイエットサプリ(不当表示)」

第33回 「再び、疑似ダイエットサプリ(不当表示)」

1. 再び、優良誤認表示(景品表示法違反)
6/13、消費者庁は「カロリストンPRO」(ステラ漢方株式会社:福岡市)の製品表示(宣伝広告)は不当表示であるとし、この企業に対し、表示(宣伝広告)を是正するよう「措置命令」(行政処分)をだしました。疑似ダイエットサプリのたび重なる行政処分(措置命令)に改めて驚きますが、サプリメントの販売企業が「漢方」という名称を社名にしていることも大変不思議なことです。

*消費者庁URL www.caa.go.jp
*漢方・・・中国2000年以上の経験医学に基づいて継承されている医学、また医学書に掲載されている漢方薬(天然薬物)のこと。漢方薬は複数の薬用植物による組み合わせ処方。ex. 葛根湯(7種の薬用植物)

とまれ、消費者庁の改善命令では 1)表示(宣伝広告)はカロリストンPROが著しく優良であることを示すもので、不当景品類及び不当表示防止法に違反することを一般消費者に周知徹底する 2)企業内において、役員及び従業員にこの事実を周知徹底する、3)今後は合理的根拠もなく、このような表示(宣伝広告)を行わないという内容です。これは、「カロリストンPROという製品は、表示(宣伝広告)されているようなダイエット効果がない」ということです。この企業では、あたかもダイエット効果があるかのような表示(宣伝広告)しているというわけです。「夜スリムトマ美ちゃん」事件と同様ですが、6/18現在、この企業のホームページには、このカロリストンPROの表示(宣伝広告)が法に違反しているという、一般消費者への周知は行われていないようです。

2. カロリストンPROは下剤サプリ?
この表示(宣伝広告)を見ると、同様の措置命令を受けている「夜スリムトマ美ちゃん」と同様の「難消化性デキストリン」を主成分とした錠剤のサプリメントです。副原料として話題になってる昆布、コーヒー豆、黒豆などのポリフェノール成分を加えていますが、設計根拠が理解できません。繊維質(ファイバー)をたっぷり配合し、「便通改善(便秘改善)サプリ」と考えていいでしょう。これも「夜スリム」と同様です。評価サイトに「これは下剤サプリ」という投稿がありますが、「ダイエット」と表示するのでなく、便通改善(便秘改善)を消費者が理解できるよう表示するべきといえます。また、ダイエット=便通改善ではありません。便通改善はダイエットのプロセスですが、そのためには「安心・安価・効果的」な便通改善薬があります。高価なサプリメントは必要ありません
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3. 正しいダイエットを!
ダイエットは、健康になる(=ウエルネスになる)ことをいいます。痩せること、便通改善ではありませんダイエットは「食生活・睡眠・運動」の改善で目的を達することができます。この3つ、継続が前提です。睡眠不足は食欲増進刺激ホルモンを刺激し、過食になりがちですから、睡眠は最低でも7時間は確保しましょう。このフォーラムでもふれましたが、正しいダイエットは食生活の改善を通じて消化管燃焼系を整えることが最重要です。これは食べた栄養素を酸素で燃えやすくする、エネルギーに変換しやすくすることです。ダイエットはこの食生活見直し(改善)で60%が成功します。運動は、酸素を取り込んで脂肪や糖を燃えやすくする意味があります。食後30分は安静に、30分後から運動しましょう。継続が前提ですから、ウォーキング(時速4Km以上)が手軽で好ましいでしょう。道具も不要、いつでもどこでもできる運動です。あまり激しい、負荷がかかる運動は体内で活性酸素を産生しますので逆効果になります。
また、肥満の人では代謝能が低下していることも多く、食生活では野菜を多く摂ることを意識してください。脂肪や炭水化物(糖)は消化酵素で分解され、酸素(さんそ)と酵素(こうそ)でエネルギーに変換されます。こうした体内の生化学反応をコントロールしているのは「酵素(こうそ)」ですが、その酵素はビタミンやミネラル、フィトケミカルがコントロールしています(補酵素)。ですから脂質や糖質はエネルギー原料となり、ビタミン、ミネラルなどフィトケミカルによってコントロールされているわけです。そのため、ビタミンやミネラル、フィトケミカルを摂ることが大切です。ビタミンやミネラルがあって初めて、脂質や糖質が代謝されてATP合成能が高まるのです。野菜不足」、「睡眠不足」は肥満をつくると覚えておきましょう。

4. 魔法のダイエットサプリはない!
ダイエットを宣伝するサプリメントのほとんどが「夜スリム」や「カロリストン」同様の問題があります。女性の痩せ願望を刺激するような美辞麗句ばかり次々ならべるサプリメント(健康食品)は、それだけでも要注意製品ですなぜなら、魔法のサプリメント(健康食品)はないからです。
ダイエットは若い女性に限らず、大切な取り組みです。ただ、ダイエットといいながらダイエットの取り組みをせず、下剤サプリに頼るというのは考えものです。先ほども言いましたが、整腸・下剤にはいい薬があり、サプリメントは不要です。
ダイエットの取り組みは、1)食生活(野菜摂取2倍) 2)運動(30分以上ウォーキング) 3)睡眠(7時間以上)でほとんどが成功します。何も大変なことはありません。野菜をほとんど摂らない食生活、定期的運動はしない、日々夜更かし・・・というライフスタイルでダイエットに目を向けても意味はありません。かえって、不健康を助長するでしょう。ですから、ダイエットの取り組み3原則をやり、それを補助するサプリメントが必要になります。ただ、そのサプリメントは問題を起こすような派手な表示、宣伝をしているサプリメントではありません。
ダイエットを正しく理解する、ダイエット(健康・ウエルネス)補助製品の購入では宣伝表示でなく「製品情報」を読む、それが大切です。そして、製品情報に書かれている成分を自分自身で調べましょう。国立健康・栄養研究所のサイト(http://www.nih.go.jp)で簡単に(正しく)調べることができます。「夜スリム」でもそうでしたが、消費者庁の対応のはいつも後手ですので、消費者自身で最低限の健康知識や栄養情報を身に付ける必要があります。法に反しても違法表示で消費者をカモにしようとする企業にはほんとうに心が痛みます。

*第29回フォーラムで夜スリム事件、食品偽装事件に関連し、製品表示ついて解説しています。
                                                        (第33回 完)





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2014年05月21日

第32回 リコピンフォーラム 「 リコピン(カロテノイド)とがん予防 」

第32回 『 リコピン(カロテノイド)とがん予防 』

欧米また日本でも、リコピン(カロテノイド)によるがん予防に関する研究(コホート)が進められています。

1. 「がん」は老化疾患
60兆ともいわれる私たちのカラダの細胞は毎日数千もの細胞が変異しています。その変異した細胞は免疫機構(異物の排除・修復機構)などで修復されたり排除され、正常な細胞が残ります。ところが、その変異細胞(がん細胞)が何らかの理由で修復・排除されないとき、正常な細胞と異なる行動(分裂・増殖)をするようになりますルールを無視して勝手に行動するのですが、それが自分(の細胞)でありながら自分でコントロールできない細胞、すなわち「がん細胞」です。
なぜ、そうなるのか。やはり生物の老化(細胞の老化)の問題があります。老化(エイジング)は病気のようで病気ではない(老化現象)という両面をもっています。
私たちは身体機能(足腰)の老化は自覚しやすいのですが、内蔵(臓器)、細胞の老化はなかなか自覚できません。その意味で 「がん」は臓器・細胞の老化、免疫機能の老化にともなう機能性疾患と考えることができます。かつて、がんは遺伝性疾患といわれたりましたが、今は誰にも訪れる老化を背景とする病気であるといえます。誰もが老化するわけですので、誰もが罹患する可能性がある病気、それが「がん」という病気なのです。

2. 老化ということ
内蔵(臓器)は眼に見えないため、どうしても私たちは皮膚、白髪や脱毛、あるいは白内障、そして足腰のように内蔵の老化(加齢)は実感できません。しかし、臓器も老化しています。私たちの生体防御機構を担う免疫機能は20歳代がピークで、その後は加齢とともに機能低下していきます。臓器の機能低下は心臓がもっとも遅いのですが、肝臓や腎臓は60歳代以降、20歳代より20%〜40%程度も機能低下します。
老化は誰にも訪れる生物の時間として考えることができます。2000年以上前、中国で始皇帝という王様が老化を止める薬を求め、そこから漢方薬(中薬)の歴史が始まりました。しかし、老化という生物時計を止めることは誰にもできないのです。なぜなら、老化という時間は生まれたときからの「自分自身のDNA(遺伝子)の命令」だからなのです。ただ、この命令も学問的には125年という時間を保証していると考えられています。私たちは誰にも訪れる老化というDNAの歩みを嘆くことなく、いかに充実した時間にするか、それが大切な思考になるといえるでしょう。

3. 「がん」の予防
て、「がん」は自分自身の変異DNAが修復、排除されないまま残った細胞(変異細胞)によって始まる病気であることをお話しました。「がん」は自分の内なる病気であり、感染症のように外来原因があるわけではありません。老化は、一言でいえば生体機能の機能低下ですが、私たちのほとんどの生体機能は20歳代以降、低下します。ですから、そうした変化に適応していくライフスタイルが大切です。40歳代でも、50歳代でも、その自分に合うライフスタイルが望まれます。肉体疲労は50歳代になると20歳代のときのように回復しないことを多くの人が経験しているでしょう。カラダの変化を意識、自覚することが大切です。食生活や睡眠、運動、休養などを振り返り、ウエルネス(健康)なライフスタイルを作りましょう。特に、40歳代以降、それが人生で優先的な取り組みともいえるでしょう。

また、「健康、病気という状態は、健康と病気のバランス」です。100(健康)対0(病気)の人はいません。日常、健康と思っていても51(健康)対49(病気)かもしれません。このバランスは年代や環境によって絶えず変化します。ですから、健康だった人が突然、病気になるわけではないことを自覚しましょう。ただ、老化とともに病気に近い健康人が増えていきます。予防医学は自分で行う治療です。健康と病気のバランスが病気(傾向)に傾かないようにすることを目的に、他者(医師や薬剤師)ではなく、自分自身が取り組む医学です。食生活や睡眠、身体活動(運動)など、一日の時間を見直してみることをおすすめします。
すなわち 「がんを予防する」生活とは、誰にでも訪れる「老化という生物時間に適応する生活」に他なりません。それは 「いつまでも20歳代のようにではなく、50歳代らしい、あるいは60歳代らしい、それぞれ年代に適うライフスタイルを作ることと言っていいでしょう。50歳代の人が20歳代のような不規則な生活、ジャンクフードづけ食生活、徹夜を繰り返しているなら、それはがんを誘引するライフスタイルといえるのです。
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4. リコピンによるがん予防研究
1)前立腺がん・・・米国・ハーバード大学の6年間にわたるコホート(疫学研究)
40〜75歳の47,000人(男性)の調査研究があります。6年で47,000人のうち812人が前立腺がんに罹患しましたが、日常の食生活調査(特に野菜・果実 の摂取)で「トマト料理とイチゴ摂取量」に大きな差が見られました。特に、トマトベースの料理を週10回以上摂る人はがんの罹患危険性が45%低いという研究報告です。リコピン、β-カロテンの意義についても言及しています。

2)肝臓がん・・・京都府立医大と国立がん研究センター(共同研究)
リコピンが肝臓がんの発症を抑制するという研究報告(動物実験)があります。この研究報告によれば、肝臓がんを罹患したマウスにリコピンを40週摂取させたところ、がん発症率が88%(リコピン非摂取マウス)から43%に低下したという結果です。また、大腸がんについても京都府立医大と秋田大・カゴメ(共同研究)の研究報告(動物実験)があり、大腸がんを罹患したマウスのうち、リコピンまたはルティンを摂取したマウスは水だけを摂取したマウスより30%がんの発症率が抑制されました

3)リコピンの活性酸素消去の研究
リコピンが活性酸素と反応性が高い(=抗酸化・活性酸素消去力が高い)ことが確認されています(静岡大と徳島大・カゴメの共同研究)。このことは、私たちの体内で活性酸素が増大したり、体内の活性酸素消去酵素(SODなど)が減少したときにリコピンが活性酸素と反応(=抗酸化・消去)し、活性酸素による細胞への攻撃を防御しているわけです。ビタミンCやE、コエンザイムQ10などにも同様の働きがあり、リコピンはもっとも強い消去力(抗酸化力)をもっています。
外界にあふれる活性酸素の誘発物質(紫外線・排気ガス・電磁機器など)、また体内の活性酸素の過剰誘発は、がん、アレルギーの発症にも関連します。活性酸素の攻撃から細胞損傷を防御する食生活とライフスタイル、それががん予防につながるといえるのです。
トマト料理、オリーブオイルを日常の家庭料理にしている地中海沿岸は心臓病やがんの発症率が低いという事実、食生活は多くの示唆を与えてくれます。
                                                   (第32回 完)

posted by 高原裕一 at 00:00| ダイエット&ウエルネス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月15日

第31回 リコピンフォーラム 「フィトケミカル−生体防御機能成分」

第31回 『 フィトケミカル−生体防御機能成分 』

野菜に含まれる栄養機能成分であるリコピンなど、カロテノイド成分やポリフェノール成分は近年その働きがわかった機能成分です。この機能成分はフィトケミカルとよばれ、食物繊維(ファイバー)に続く第7栄養素といわれるようになりました。少し前までは、食物繊維(ファイバー)が人には消化できない不要物、カロテノイドやポリフェノールはただの色とされていたわけですが、ファイバーは機能をもつ栄養素(炭水化物)、カロテノイドやポリフェノールは生体防御機能成分とされ、いずれも私たちの健康維持や病気の予防に重要な働きをしていることがわかってきました。

1. フィトケミカル
この野菜の機能成分であるフィトケミカルは野菜や果実が自ら生みだしている成分ですが、土のなかのミネラル(無機質)や水、太陽光(光合成)を利用して生みだす天然の生体防御機能成分です。フィトケミカル(Phyto-chemical)は、フィト=植物(ギリシャ語)+ケミカル=化学成分です(ファイトケミカルともよびます)。リコピンやルテインなど、カロテノイド成分は脂溶性(油脂で分解される成分)で、アントシアニンやイソフラボン、カテキンなど、ポリフェノール成分は水溶性(水で分解される成分)です。いずれも野菜や果実(植物)の色になり、私たちの日々の生活や風景にも彩りを与えています。
古代ギリシャ時代にヒポクラテスという医師が柳の葉をカゼの治療に使いました。現在は、その成分からよく知られるアスピリン(解熱鎮痛薬)という薬が開発されています。また、タキソール(抗ガン薬)はイチイの成分、キノコ類でもレンチナン(抗ガン薬)はシイタケから開発されました。植物(野菜や果実)は自然の脅威や害虫から自らを守るための防御機能成分をつくり、無事育って、実るというわけです。その防御機能は活性酸素を消去する抗酸化力が中心です私たちの体でも常に活性酸素が生まれ、体内でも消去酵素(SODやグルタチオンなど)が働いています。しかし、活性酸素が過剰な現代、体内の酵素だけでは消去できません。そのとき、ビタミンCやE、還元型コエンザイムQ10、そしてフィトケミカルがあると、活性酸素と結合し、活性酸素を消去しますフィトケミカルは私たちの体でも機能を発揮していることがわかり、第7栄養素として注目されています。ここでは、野菜のフィトケミカル、カロテノイド、ポリフェノール、有機硫黄化合物、多糖類をご紹介します。

2. カロテノイド成分
カロテノイドではα‐カロテンやβ‐カロテンがよく知られていますが、リコピン(トマト・スイカ・グァバ)やルテイン(ホウレンソウ・ブロッコリー・キャベツ・トマト)、β‐クリプトキサンチン(みかん・オレンジ) などが知られるようになったのは近年です。強力な抗酸化力(活性酸素の消去力)があり、日常野菜や果実から誰でも摂ることができます。病気の発症に活性酸素が関与していることがわかり、抗酸化力の強い野菜や果実に注目が高まっています。カロテノイドは脂溶性ですから油(脂肪酸)で調理すると吸収が高まります。また、水に溶けませんのでトマトジュースを飲んでもカロテノイド成分を吸収することはできません。また、カロテノイドの多い野菜は脂溶性ビタミン(ビタミンA・D・E)も多く含み、相乗的にカロテノイドの活性を高めています。
諏訪中央病院の鎌田 實先生は、動脈硬化の予防には野菜のカロテノイド成分を意識して摂ることが大切であると仰っています。リコピンなどカロテノイド成分は野菜がつくる薬にもっとも近い天然の生体防御機能成分といっていいのです。

リコピンの抗酸化力は食品成分ではもっとも強く、ビタミンEの103倍と報告されています。それが日常食品のトマトに含まれていますので、油脂(オリーブオイル)とともにトマトを毎日食べたいものです。トマトとオリーブオイルをベースに野菜と魚介類で立派な地中海料理ができあがります。もちろん、パスタでも同様です。リコピンの強力な抗酸化機能は、特に紫外線による皮膚の酸化予防(日焼け予防)、脂質代謝の促進、LDLコレステロールの酸化予防(酸化LDL化の予防)があります。血管は血液と酸素を運んでいますので活性酸素の脅威に絶えずさらされており、血液に溶けた脂質(コレステロール)は酸化しやすいわけです。LDLが酸化すると酸化LDLC(コレステロール)になり、血管壁を傷つけたり、動脈硬化や血栓を造成し、粘度の高いドロドロの血液をつくります。リコピンはLDLが酸化されないよう自ら活性酸素と結びつき、血液をサラサラに保つように働くフィトケミカルです。
また、ルテイン(ゼアキサンチンという異性体も)は眼の水晶体や黄斑部に多くが集まるカロテノイド成分です。テレビ、パソコンなどが発光する青光色は眼を疲労(酸化)させるのですが、ルテインはそれをブロックして眼を守ります。これもルテインの強い抗酸化機能の働きです。
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3. ポリフェノール成分
水溶性成分(水に溶ける)のポリフェノールはカロテノイドと異なり、水やジュースで摂ることができる機能成分です。水に溶けるため、コンビニなどにはポリフェノールを含む野菜や果実のジュースがいろいろあります。ポリフェノールがビタミンBやCなどの水溶性ビタミンと働くことも、カロテノイドがビタミンAやD、Eなど脂溶性ビタミンと働くことと異なっています。
ポリフェノールの多くはフラボノイドという色素です。ジュースに含まれるポリフェノールのほとんどがこのフラボノイド成分です。ブドウやブルーベリーのアントシアニン、大豆のイソフラボン、緑茶のカテキン、タマネギやリンゴのケルセチンなどが代表的です。フラボノイドにも抗酸化機能があり、活性酸素を消去することがわかっています。ただ、カロテノイドほど強力ではありません。体でもっとも多く誘発されている比較的軽度の活性酸素を消去し、水素と酸素に分解します。ただ、ポリフェノールは悪性度の高い紫外線が誘発する一重項酸素を消去することはできません。これにはカロテノイドの強力な抗酸化機能が必要です。また、大豆イソフラボンは女性ホルモン類似のポリフェノールで、ホルモン様の働きがあることがわかっています。他に、セサミノール(ゴマ)、クルクミン(ウコン)、クロロゲン酸(コーヒー豆・ゴボウ)、カカオ(カカオな豆)など、やはり抗酸化力をもつ防御機能成分です。
ただ、ポリフェノールは水溶性のため、ビタミンBやCと同じように3時間程度しか体内にはなく、熱に弱く、すぐに消失してしまいます。ですから、ポリフェノール成分は一日に何度か摂る必要があることは覚えておいてください。脂溶性成分のビタミンAやD・Eやカロテノイドは熱に強く、体内の滞留時間も長く、一日1回摂ればいいでしょう。

4. 有機硫黄(ゆうきいおう)化合物
有機硫黄といえばクルマの排気ガスを思い起こす人も多いでしょう。確かに、化石燃料(石炭・原油など)が燃えるときや化学合成品(化学繊維・医薬品)ができるときに生成します。PM2.5でも有名になりました。ところが、栄養素である炭水化物に硫黄成分が含まれていて、植物(野菜)が成長するとき、この有機硫黄化合物を生みだします。これは植物が成長するときの老廃物といわれますが、それが私たちの健康に役立つ機能成分です。これは酸素(動物に必要)と二酸化炭素(植物に必要)のように、動物と植物の助け合いと考えることができるでしょう。
さて、植物(野菜・果実)が生みだす有機硫黄化合物の代表はニンニクの異臭(刺激臭)である、アリシンという機能成分です。1980年代に米国・国立がん研究所(NCI)は、がん予防を目的に『デザイナー・フーズ計画』を発表しました。そこで、がんを予防するためにもっとも摂るべき野菜とされたのがニンニクです(上記写真;デザイナー・フーズピラミッド)。アリシンは抗酸化力が強く、血管内の活性酸素生成を予防し、血液をサラサラにする働きがあります。このアリシンはネギ、タマネギ(ユリ科植物)にも含まれています。カロテノイドと同じように油脂(脂肪酸)と相性がよく、油に溶けてアホエンという成分に変わると、さらに血液サラサラに効果的なことも覚えておきたいことです。
有機硫黄化合物はアリシンのほか、スルフォラファン(イソチオシアネート)という成分もあります。ブロッコリーやスプラウトに多く含まれ、抗酸化機能と解毒機能をもった成分です。特に肝臓では異物やがん誘発物の解毒を促進し、肝臓を保護する働きがあります。スルフォラファンはブロッコリーやキャベツなど、アブラナ科野菜に多く含まれる防御機能成分です。

5. 多糖類(炭水化物)
多糖は連なった糖質(炭水化物)です。デンプン・グリコーゲン・セルロース・ペクチンなどです。糖が10個以下の糖質はオリゴ糖とよばれますが、それ以上は人に消化・吸収できません。私たちの生命活動エネルギーの60%は糖質(炭水化物)を酸素で焼やして(酸化されて)つくられていますただ、エネルギーになるのは単糖(ブドウ糖)やニ糖(果糖)、三糖(砂糖)などのオリゴ糖類です。それほかの多糖類はファイバーとして働くものが多くなっています。甘みもほとんんどありません
多くが機能成分である多糖類の代表はデンプン(デキストリン)やセルロースなど、食物繊維(ファイバー)です。人(動物)はこのファイバーを消化する酵素をもちませんので、ファイバーは長い間不要物とされていました。しかし、今では健康維持に必要な機能成分(栄養素=炭水化物)とされています。ファイバーでもデンプン類の難消化性デキストリンなどは胃の水分を吸収(水溶性ファイバー)して膨張し、ブドウ糖(単糖)や脂質の吸収を遅らせるなど、血糖値の急激な上昇を抑えます。また、毒性のある成分を吸着して排泄したり、便通を整える(不溶性ファイバー)などもあり、ファイバーは健康維持、病気の予防に必要な栄養素とされています。このファイバー(食物繊維)の摂取不足が国民健康調査(厚労省)でも指摘されています。一日の必要量は19g(男性)・17g(女性)です。
また、アガリスク、メシマコブ、シイタケなどキノコ類にはβ-グルカン(1・3グルカン)という多糖が含まれています。やはり、糖が多重結合したファイバーで人は消化できない機能成分です。パン酵母・ビール酵母・オオムギ由来のβ-グルカンは免疫機能を増強すると言われたりしますが、検証されている研究データは見当たりません。やはりファイバーとしてその機能を活かすのがいいでしょう。
食物繊維(ファイバー)は海藻類や豆類のほか、野菜ではゴボウ・モロヘイヤ・オクラ・カボチャ・ニンジン・サツマイモ・ジャガイモなど、日常野菜に多く含まれています。また、果実でもリンゴ・イチゴにはペクチンという水溶性ファイバーが多く含まれます。ファイバーは胃の水分を吸収して10倍以上に膨らむのですが、ファイバーの機能を役立てるためにダイエットだけでなく、食生活で野菜・海藻類・豆類からまず先に食べるという習慣をもつことが健康維持に大切なのです。
                                        (第31回 完)

posted by 高原裕一 at 20:21| ダイエット&ウエルネス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年03月21日

第30回 リコピンフォーラム「リコピンサプリ−リコピン&オリーブ油」

第30回 『 リコピンサプリ−リコピン&オリーブ油 』

1. なぜ、リコピンサプリが注目されるのか
「寝ている間に勝手にダイエット」などと違法に宣伝していた「夜スリムトマ美ちゃん」というサプリメントがあります。このサプリは錠剤のため、オリーブオイル(油脂)は配合されていません。リコピン(カロテノイド)は脂溶性であり、吸収されるためには油脂が必要ですので「夜スリム・・・」ではリコピンを吸収できません。リコピンの吸収にはオリーブオイル(油脂成分)が必要であることはこのフォーラムで再三お伝えしている通りです。
さらに、「夜スリム・・・」は「デンプンと繊維質(難消化性デキストリン・還元麦芽糖・キャンドルブッシュ)」を主成分とし、それら成分での整腸改善や便通促進を期待し、錠剤で設計しているとわかります。そこにリコピンを配合しても、油脂はなく、リコピンの機能は生かされません。なぜ、リコピンを配合したのか、目的と設計根拠がまったく不自然です。
この企業では今回の行政処分を機に、設計目的、成分情報を消費者にきちんと説明する必要があるといえます。
さて、リコピンなど、カロテノイド成分は植物(野菜)の色をつくりますカロテノイドはβ-カロテン(ニンジン・カボチャ)がよく知られていますが、私たちの体内にあるいちばん多いカロテノイドはリコピンであることはあまり知られていません。そして、このリコピンの最大の機能は「抗酸化力、脂質代謝力」です。日焼け(=火傷)、がん、動脈硬化症、脂質代謝異常症など、病気の発症には活性酸素が関与していることがあります。日々の食生活で抗酸化力のある野菜(トマト・ブロッコリー・ニンニク・タマネギ・アスパラガスなど)を意識して摂り、動物油脂(飽和脂肪酸)を控えめにする、それが食生活の健康維持、予防医学ではもっとも留意するべきことです。米国では、一日の動物油脂(お肉)摂取量の25%程度を植物油脂に変えることで体内酸化を予防できると報告されています。そして、ジャンクフード・コンビニフード・ファストフードは動物油脂だけでなく、もっとも酸化しやすい低質油脂(パーム油など)、さらに合成油脂(トランス脂肪酸)も使われますので極力控えるようにしましょう。

2. 活性酸素とリコピン
現代社会は活性酸素があふれる社会です。オゾン層破壊による強い紫外線照射はじめ、電化製品(電磁波)や排気ガス、タバコ、合成洗剤、化粧品など。さらに酸素で生命活動エネルギーをつくる人間(哺乳類)は常に酸素を過剰にとりこみ、活性酸素から逃れることができません。ですから、活性酸素の被害、誘発を防御するライフスタイル(生活習慣)を意識することが大切になります。リコピンの抗酸化力と脂質代謝力に注目が高まり、リコピンを「配合した」サプリメントも増えています。ただ、「リコピンの機能(働き)はオリーブオイル(油脂)とセット」 であることを理解する必要があります。リコピンは日常の食品成分でもっとも活性酸素との反応力(抗酸化力;活性酸素消去力)が強いのですが、抗酸化機能を期待するためには毎日トマトを5個程度、油脂(オリーブオイル)とともに食べる必要があります。病気との関連でも、トマト5個分(リコピン20mg/Day)で一定の予防効果があるとの報告があります。トマトを毎日5個というのはちょっと大変ですから、良質な天然リコピンのサプリメントを摂るのがいいでしょう。この場合、リコピンの名称だけで選ぶことがないよう十分注意してください。リコピン(カロテノイド)がもつ機能を生かす製品設計がきちんとされているか」 が選択のカギです。ですから、「宣伝広告ではなく、製品情報を読む」必要があります。それがリコピンサプリを選ぶ第一のポイントです。特に、錠剤で設計される(オリーブ油を配合していない)製品はリコピンサプリメントといえませんので注意が必要です。
 
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3. リコピンサプリの 「ゴールデン・ルール(黄金律)」
リコピンを配合し、リコピンを看板(製品名)に宣伝する 「疑似リコピンサプリ」があります。話したように、リコピン(カロテノイド成分)は油脂に溶ける成分
ですから油脂(オリーブオイル)が必須成分です。地中海料理は 「トマト&オリーブオイル」 がベースです。また、トマトを食べるときもオリーブオイルやドレッシング、マヨネーズでいただくのが必須です。トマトジュースに油脂はありませんので、飲んでもリコピンは吸収されません水で分解されない植物(野菜)化学成分(フィトケミカル)がリコピン、カロテノイド成分の特徴であることを知っておいてください。
ですから、「リコピンを摂る」 サプリとして  「リコピン&オリーブオイル(油脂)」という基本設計は必須なのです。これは「リコピンサプリ」のゴールデン・ルール(黄金律)」であると知りましょう。そのため、オリーブオイル(液体)を配合できない 「錠剤」 で設計されたデンプン系・コラーゲン系 「疑似リコピンサプリ」 は、リコピンを配合してもリコピンを摂るサプリメントにはならないわけです。リコピンサプリの選び方としてこのゴールデン・ルールを知っていることが大切です。

このフォーラムの第8回〜13回で、リコピンサプリを選ぶポイントやリコピンサプリと疑似リコピンサプリについて解説していますので、あわせて確認してください。リコピンサプリとして設計されている製品はそれほど多くなく、リコピンを配合しただけの疑似リコピンサプリが多くなっています。

4. オリーブオイル(ω9系・一価不飽和脂肪酸)
油脂は酸化しやすいという性質があります。特に、植物油脂でもヤシ油、パーム油は動物油脂と同様の低質の油脂です。いずれも洗剤や石鹸など界面活性剤で利用され、一部が食物油脂で利用されています。そして、安価なサプリメントはこのパーム油を配合したものが多く、注意が必要です。パーム油は融点が高く(50〜60℃)、通常温度では動物油脂と同じく固型です。オリーブオイルなど植物油脂は融点が低く、通常温度では液体です。もちろん、動物油脂はコレステロールの生合成に必要ですが、同時に脂質代謝異常症にを増幅する脂質は動物油脂などの飽和脂肪酸であることは知っておいてください。飽和脂肪酸は活性酸素と結びつきやすい(酸化LDLコレステロール)のです。
また、ほとんどの植物油は「種の油」ですが、オリーブ油だけ「実の油」であること、オリーブ油は「生食で摂ることのできる植物油」であること、それがオリーブ油の大きな特徴です。また、成分のオレイン酸は必須脂肪酸ではありませんが、他の油脂と異なって腸管(小腸)で吸収されにくく、油膜をつくって便通を促進することがわかっています。ですから、「リコピン&オリーブオイル」のゴールデン・ルールで設計されている正しいリコピンサプリには、整腸や便通改善、ダイエット効果があります。そして、オリーブオイルのカロリーは他の植物油と同様でありながら脂肪(中性脂肪)になりにくいのです。オリーブオイルは朝食(パン)でもっと利用するべき油脂だといえます。バター、マーガリンよりもヘルシーです。
オリーブオイルは脂肪になりにくい、腸管潤滑・整腸作用がある、ビタミンEを多く含むなど
、健康と美容のために必須の天然油脂成分だといえるのです。

*オリーブオイル&リコピンのゴールデン・ルールに関し、第17回フォーラムでも解説していますのであわせて読んでください。

5. リコピン(カロテノイド成分)を健康に生かす
リコピンの名称をつけた「疑似リコピンサプリ」の問題を少しお話しします。大手トマト食品企業も「疑似リコピンサプリ」を販売していて、これは大変困った問題だと思っています。この企業では正統派リコピンサプリを販売しています。そして、リコピンはオリーブオイルと一緒に摂ることで吸収されると学術情報(研究結果)ページで公表しています。それによると、オリーブオイルがあることでリコピンの吸収が高まる(4倍以上)としていますその一方、オリーブオイルを配合せずに錠剤で設計し、主成分はコラーゲン(たんぱく質)であるというサプリにリコピンを冠した 「疑似リコピンサプリ」を販売しているのですまったく矛盾した企業行動だと思うわけです。自社の正統派リコピンサプリをきちんと消費者に啓蒙せず「疑似リコピンサプリ」を宣伝しているというトマト食品企業です。この企業は健康、予防医学としてリコピンの学術情報を消費者に啓蒙すべき社会的責任があるといっていいと思うわけです。そうした啓蒙活動によって「夜スリムトマ美ちゃん」の違法宣伝にも消費者がリコピンを正しく理解し、冷静な判断をできるようになるからです。
なお、この企業の「正統派リコピンサプリ」はゴールデン・ルールに従って設計され、信頼できるリコピンサプリだといえるでしょう。リコピンを冠しただけの「疑似リコピンサプリ」はリコピンを摂るための製品設計がなされていないわけです。植物酵素を配合してみたり、デンプン(デキストリン)やコラーゲンを配合してみたり、ビタミンを配合してみたり・・・リコピンを摂るための設計根拠が見いだせません。単に多成分を配合しただけという、サプリメントとして意味がありません。あたかも日々の食生活をないがしろにして、サプリメントから栄養摂取を推奨しているかのようです。
サプリメントは「栄養補助食品」それをもう一度考えておきたいわけです。日々の食生活はじめ、ライフスタイルを点検し、それを補うために適切なサプリメントを補助食品として利用する、その視点がサプリメント選びに必要です。ライフスタイルに必要な栄養機能を補強するサプリメントの本質を忘れず、宣伝広告よりも製品情報をしっかり読み、必要なサプリメントを選んでいただきたいと思います。
                                              (第30回 完)

posted by 高原裕一 at 19:33| サプリメント&健康食品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年02月23日

第29回 リコピンフォーラム 「リコピンダイエット−不当表示広告と情報提供」

第29回 『 リコピンダイエット−不当表示広告と情報提供 』

「東京くらしねっと」
(東京都消費者生活総合センター)という生活情報誌があり、2月号は「私たちのくらしと景品表示法」の特集です。今回、ホテル・レストランの食材偽装事件、ダイエットサプリメントの不当表示事件に関連し、この景品表示法について考えたいと思います。


1. 消費者庁の行政処分『 寝ている間に勝手にダイエット 』 −不当表示
 
昨年12月5日、消費者庁は 『寝ている間に勝手にダイエット』 と宣伝広告したダイエットサプリ(夜スリムトマ美ちゃん)の販売企業に対し、『@実際より著しく優良であると示すもので、景品表示法に違反することを一般消費者に周知徹底することA再発防止策を講じ、役員および従業員に周知徹底すること。B今後、合理的根拠もなく同様の宣伝広告は行わないこと』という、大変厳しい措置命令(行政処分)を出しました。措置命令は行政処分で、行政指導より厳しい警告となります。
この企業ではデンプン(デキストリンなど)を主成分とするサプリメントにリコピンを配合し、デンプンサプリとしてでなく、リコピンサプリとして消費者に広告宣伝し、「夜寝る前に飲めば痩せる」と合理的根拠もなく表示していたわけです。このフォーラムでも指摘していましたが、この不当表示への改善命令(行政処分)によって、この製品の設計と情報提供(宣伝広告)という二つの面からこのサプリメントの問題点が浮きぼりになりました
「ダイエット」は魔法の言葉ではなく、健康、ウエルネスと同様の意味をもつ言葉です。特に若い女性はダイエット=スマートになる・スタイルがよくなる・痩せるというように理解しがちですが、ダイエットはダイエタリー、すなわち「食生活を通じた健康づくり」という意味があることを改めて確認していただきたいと思うわけです。

第8回〜13回のリコピンフォーラムに詳説。このデンプン(デキストリン)サプリメント(夜スリムトマ美ちゃん)について第9回、第13回で解説、評価している。

2. 景品表示法−優良誤認表示 
景品表示法は消費者を保護するための法律です。日常、私たちは商品に表示されている情報を信頼して購入します。ですから、景品表示法はこの表示(情報)に、ウソ、過大表現などの消費者を騙すような表示を禁止しているのです。これは当然なのですが、しかし、今回のデンプンサプリ事件のように法に違反しても販売する企業があるわけです。
この表示は、商品を販売する企業が消費者を勧誘する宣伝広告やサービス、そして品質、機能など、業責任として消費者に伝え、正しく判断してもらうという役割があります。それに対し、「お客様の言葉」、あるいは「体験談」というのは、その商品に好意的な人の言葉であり、非好意的な人の言葉は掲載されないわけです。ですから、その情報には公平さ、客観性がありません。企業に都合のよい情報だけを流すわけですから、宣伝広告と同じです。
今回のデンプンサプリ(夜スリムトマ美ちゃん)は「優良誤認表示」に該当し、もっとも違反の程度が重いわけです。これは、実際の品質より著しく優良と表示した情報(宣伝広告)が事実ではないこと、その事実ではない情報を消費者に提供(宣伝広告)し、販売していたとされたわけです。
健康食品や医薬品の情報というのは、使用原材料名だけでなく、成分や期待される効果、安全性、学術情報などを含んでいます。それは、冒頭に述べましたが、消費者が製品を買うときに判断する、意思決定するために必要な情報だからです。ですから、今回の命令で示されたように、根拠のない情報を事実かのように宣伝広告すると、消費者の判断、意思決定が歪められ、正しく判断できません。食品、医薬品ではそれが健康被害につながることもあります。すなわち、消費者がそうした健康被害にあわないよう、根拠のない情報を流さないように、消費者庁がこの企業に強く警告(命令;行政処分)したということです。
このダイエットサプリ(デンプンサプリ)事件を起こした企業の、こうしたお客様(消費者)への姿勢が、健康食品全体のイメージになる懸念もありますので、大変残念な事件だといわざるをえません。消費者として、健康のためにだからこそ、正しいサプリメント選びをしていただきたいと思うわけです。

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3. 有利誤認表示
「優良誤認表示」は、その表示を企業が意識的にか(故意)、間違ったかに関係なく、「表示自体」が不当表示なのかどうかが問題になります。それに対し、「有利誤認表示」は、誤認されるかどうかが不当表示の判断要件になっています。例えば、『冷凍食品、今だけ半額』と表示した商品コーナーに、冷凍食品以外の商品が混在しているなどが例示されます。これは消費者の勘違いや誤認を利用して販売することになりかねません。ただ、一般に誤認しないと判断できるときは不当表示にはなりません。
この他、二重価格表示も有利誤認表示となる場合があります。二重価格表示は私たちが日常よく目にしているわけですが、この場合、過去2ヶ月で1ヶ月以上実際に販売されていた価格なのかどうか調査し、判断されています。そうした事実もなく、いきなり「通常価格5,000円が2,500円」などと表示したときは有利誤認表示とされ、不当表示になります。

4. 食材偽装事件
大阪のホテルレストランから始まった食材偽装事件は、その後一流といわれるホテル、百貨店などのレストランでも同様であることが明らかになりました。車エビ⇒ブラックタイガー、九条ネギ⇒普通のネギ、牛ステーキ⇒牛脂を注入した加工肉という事実が明るみになりました。また、欧州産⇒中国産という産地表示の偽装も明らかになりました。これらは堂々と写真入りで表示していたりしますので驚きました。一般の人に見分けは難しいものですが、車エビと表示して勧誘し、実際はブラックタイガーをだすレストランでは消費者を騙しているといっていいでしょう。よほどの食通でなければ味覚で判別するのも難しいことや、車エビの価格を基本に料金設定していることもあるでしょう。レストラン側は偽装ではなく、「誤表示」であると弁明したりしましたが、車エビという表示、価格を信頼して注文していますので、これは詐欺といってもいいほどの出来事だと思われます。実際に、一部料金の返金がなされています。これらも不当表示(優良誤認表示)といえるわけです。

5. 宣伝広告と情報提供
一般に、宣伝広告というのは直接的に消費者を勧誘する、販売目的の情報です。ですから、購入してもらうための情報として加工され、つくられた情報です。今回のデンプンサプリ事件も同様ですが、美辞麗句、過大な飾り言葉が多用されることがあるわけです。それに対し、製品の情報提供は、直接的に販売目的でなく、加工された情報ではありません。景品表示法などの法に従って、商品の原材料や品質、産地、安全性など、ありのままの事実を消費者に伝える情報です。医薬品の情報は宣伝広告ではなく情報提供です。しかし、食品では医薬品ほど高い健康被害リスクが考えにくいため、宣伝広告が認められているわけです。
今回のリコピンダイエットをうたったデンプンサプリメント(夜スリムトマ美ちゃん)の場合は、情報提供がサイトの下部に小さく表示されていて、事実とは異なる宣伝広告を情報加工し、販売目的で過剰に発信していたわけです。私たちは宣伝広告でイメージをつくりあげることが多いのですが、特に、食品と医薬品の二つは口から体内に入るため、健康に直接的に関わります。ですから、宣伝広告より製品の情報提供が重要になります。しっかり読んで理解して購入するようにしたいものです。健康のために購入した食品で逆に健康被害にあうということがないよう、この製品情報には常日頃から留意することが何より大切なことです。
                                          (第29回 完)


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2014年02月07日

第28回 リコピンフォーラム 「リコピンの効果(心疾患・脳疾患の予防)」

第28回 『 リコピンの効果(心疾患・脳疾患の予防) 』

リコピンはトマトに含まれるカロテノイド成分です。これまで世界のさまざまな研究成果を報告してきましたが、最近フィンランドから報告されたリコピンの脳卒中(脳梗塞・脳出血)予防効果について動脈硬化との関連でお話したいと思います。

1. 動脈硬化と心疾患・脳疾患
まず、高血圧症という疾患は心疾患・脳疾患イベントの発症リスク(喫煙とほぼ同じリスク)です
が、特に、血管内皮の粥状化を促進し、動脈硬化を進展させます。また、第4回フォーラムでもお話しましたが、「エネルギーの過剰摂取」 と 「エネルギーの消費不足(運動不足)」 が原因のメタボリックシンドロームは @脂質代謝異常(コレステロール異常血症) A高血圧 B糖代謝異常(糖尿病) C肥満を誘発し、心臓疾患、脳疾患のイベントを高める非常に危険度の高い症候群です。そして、@〜CはシンドロームX(エックス)あるいは「死の四重奏」とよばれ、これら危険因子が重なるほど 「相乗的に心疾患、脳疾患のイベント発症の危険性を高める」ことがわかっています。
このうち、@脂質代謝異常(高LDL血症、低HDL血症・高トリグリセリド血症)、A高血圧、B糖代謝異常(糖尿病)を放置していると、血管内皮で動脈硬化が促進されますので特に注意が必要です。動脈硬化は、心臓の冠状動脈で心筋梗塞、脳動脈で脳卒中(脳梗塞・脳出血)という、生命に関わるイベントにつながることが多く、その管理が重要です。特に血管内皮の脂質代謝の低下は、血管内皮の粥状化、マクロファージの泡沫化、アテローム性動脈硬化を促進し、修復できなくなります。そうなると、動脈硬化は確実に進展します。

2. フィンランド大学の研究報告
さて、動脈硬化による脳卒中の発症に関連して、フィンランド大学からリコピンの血中濃度と脳卒中(脳梗塞・脳出血)のリスク予防効果に関する研究報告がありました。
この研究は46歳〜65歳までの1,031人の血中リコピン濃度を測定し、12年追跡調査したものです。12年間に脳卒中を発症した人は全体で67人、この67人は血中のリコピン濃度が低いことがわかりました。また、リコピン濃度が平均より高いグループ(259人)は発症率が4%(11人)リコピン濃度が平均より低いグループ(258人)は発症率が10%(25人)でした。この結果から、日常の食生活との関連が指摘されていますが、脳卒中の発症率に2倍以上の違いがあるわけです。食生活での野菜や果実の摂取が脳卒中リスクを下げるといわれてきましたが、この研究でもそれが裏付けられたと Jouni Karppi 教授は語っています。
ただ、リコピンを摂るのにトマトジュースが手軽とは考えないでください。トマトジュースにリコピンは含まれますが、オリーブオイルやドレッシング(油脂)がなければ吸収されません。植物のカロテノイド成分はオリーブオイルなど油脂と一緒に摂ることで吸収される脂溶性成分だからです。それがリコピンの摂取でもっとも大切な視点です。ですから、トマトジュースは喉の潤いを満たせても、リコピンはほとんど摂ることができないわけです。

3. 今、地中海料理が推奨される
さて、このフォーラムも推奨してきましたが、地中海料理が今世界的に推奨されています。地中海沿岸はオリーブオイルの主産地(世界の70%)ですが、そのオリーブオイルをベースとする料理が地中海料理のエッセンスです。代表的な地中海料理はオリーブオイルとトマトなどの野菜、
魚介を組み合わせた料理です。それがパスタであったり、トマト鍋であったりしますが、オリーブオイルとトマトが必ず入った組み合わせ料理であるのがポイントです。

米国では中西部と東北部では心疾患、脳疾患のイベント発症率に差があることをこのフォーラムでも報告しました。中西部はメキシコ移民が多いことからメキシコ料理の多い地域であることが関係しているそうです。メキシコは、南米アンデスで生まれたトマトが初めて伝播した国で、現在でもトマトの生産量の多い国(世界の2%)です。地中海料理によく似た、トマトベースのメキシコ料理は地中海料理と共通しているからでしょう。

日本も、野菜や山菜、お肉や魚介類などを組み合わせた料理
が昔は多かったと思います。近年では、欧米的食生活の影響もあり、一点料理が多くなりました。お隣の韓国料理は地中海料理に似ていると思います。一点レシピより、野菜とお肉、魚介などを組み合わせた料理が多い国です。どうも、野菜だけ、お肉だけ、魚介類だけ、乳製品だけという一点レシピより、野菜とお肉、魚介類などを組み合わせた料理が健康にいいようです。お腹に入ると同じでしょうか。どうもそこには違いがありそうです。
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4. コレステロールと生命活動
さて、肥満(特に、内臓脂肪肥満)は血圧やトリグリセリド(中性脂肪)、血糖値を高め、メタボリックシンドロームを引き起こします。そして、高血圧症、脂質代謝異常、糖尿病などが動脈硬化を促進する最大原因になります。脂質代謝はそのなかで重要な指標です。脂質はHDLC(善玉コレステロール)、LDLC(悪玉コレステロール)、中性脂肪(トリグリセリド)があります。HDLCは全身で余分となったコレステロールを肝臓に戻し、LDLCは逆に肝臓から全身に運んでいます。運ぶ臓器は血管です。コレステロールは細胞(細胞壁)を保つために必須で、さらにホルモン(ステロイド・性ホルモンなど)をつくったり、ビタミンDをつくったり、胆汁酸をつくったりと、重要な生命活動を担っています。現在は、コレステロールの量よりもバランスが重視されるようになっています。
総コレステロールは240mgが世界のコンセンサスです(ただ、日本動脈硬化学会は220mgとし、批判があります)。問題はバランスです。特に、HDLCは総コレステロールの20%で維持することが大切です。また、中性脂肪はエネルギーに変わる脂肪ですが、過剰になると内臓脂肪、内臓肥満を助長し、HDLCや脂質代謝を低下させ、動脈硬化を促進することがわかっています。
コレステロールのほとんど(75〜80%)は主に肝臓と皮膚で合成される内因性コレステロールです。食事から摂取する外因性コレステロールは20〜25%程度です。卵の黄身をコレステロールと考えていいでしょう。卵の黄身に含まれるコレステロールは200mg以上です。私たちが一日に必要なコレステロールが800mgですから、卵(黄身)は一日1個、あるいは2個までとされるわけです。コレステロールはたんぱく質とくっついて(リポたんぱく)血液(血漿)で全身の細胞に運ばれます。ただ、半分は胆汁酸(消化液)となって十二指腸に分泌されます。次にコレステロールが利用されているのは脳と神経です。脳循環や神経伝達にコレステロールが必要だからです。また、皮膚で太陽光によってビタミンDが合成されますが、その原料もコレステロールです。コレステロールは実に重要な生命活動を担っているのです。悪いばかりではありません。

5. 野菜の機能成分(栄養素)
さて、カロテノイド成分(リコピン・ルティン・アスタキサンチンなど)は脂質代謝を高めることがわかっています。ですから、リコピンは正しいダイエットに役立つといっていいわけです。ただ、そのリコピンが吸収されるために油脂(オリーブオイル)が必要です。これはビタミンも脂溶性ビタミンのA・D・E・Kは同様です。それに対し、ポリフェノール成分(カテキン・アントシアニン・イソフラボンなど)は水溶性であり、水に溶けて吸収されます。ビタミンでは水溶性のB・Cが同様です。そして、脂溶性成分は一日一回摂ればいいのですが、水溶性成分は一日に何度か摂る必要があることも覚えておいてください。ビタミンCは一回の摂取で3時間程度しか体内にありません。ですから、一日数回ビタミンCを補給する(お茶がもっとも簡便)必要があります。水溶性成分は水分に溶けるわけですから、水分と一緒に排泄されやすいのです。

ビタミン類は私たちの体で代謝、合成できませんので食物から摂る必要がある、ということを知っておいてください。その意味では、カロテノイドやポリフェノールなどの栄養機能成分もビタミン類と同じです。こうした「ビタミン・ミネラル類」は、私たちの体で生体機能の反応(生化学反応)を担っています。炭水化物やタンパク質など栄養素を分解、代謝したりするのは酵素(たんぱく質)ですが、その酵素反応をコントロールしているのがビタミン・ミネラルです。ですから、栄養を摂ってもビタミン・ミネラル類が不足していると栄養代謝が行われず、かえって健康を損なう結果にもつながることもあるわけです。肥満や高コレステロール血症、糖尿病や高血圧、がんなど、現代の国民病といえる病気の背景にこの問題があります。現代の食生活が、こうした生体反応を働かせるビタミンやミネラル、カロテノイドやポリフェノールなどが極端に不足していることをぜひ知っていただきたいと思います。現在は、野菜に含まれる栄養素(ビタミン・ミネラル類)が20年前の6割程度になっています。野菜を2倍摂るよう心がけたいものです。炭水化物や脂質、たんぱく質を代謝し、合成する酵素やビタミン類が不足していることに目を向けていただきたいと思っています。

6. リコピンの効果(心疾患・脳疾患の発症予防)
3回にわたってこのフォーラムでも報告しましたが、リコピン(ビタミン類カロテノイド成分)は、脂質代謝を調整し、血管内皮の粥状化や泡沫化、アテローム動脈硬化を予防する働きがあります。リコピンはもっとも強い抗酸化力をもつ栄養機能成分、活性酸素でも毒性の強い一重項酸素を消去(中和)し、細胞(細胞壁)を守ります。血漿に溶けて運ばれる血管内のリコピンは、その強力な抗酸化力でコレステロールの酸化を防いでいます。余分なコレステロール(特にLDLC)は酸化し、酸化LDLに変わって血管内皮を攻撃します。ですから、酸化しにくい食生活が血管の健康につながると知り、ビタミンCやビタミンE、カロテノイド成分など抗酸化力の強い栄養機能成分を摂ることが予防につながります。
血管ではコレステロールや酸素が一緒に全身の細胞に送られます。そのため、コレステロール(脂質)は活性酸素と結びつきやすく、酸化コレステロール(酸化LDL)が発生しやすいわけです。そして、酸化LDLは血液粘度を高めるため、血液はドロドロになり、流れにくくなって血栓を生じます。血栓は血管内皮を傷つけ、アテロームとなって沈着し、血管の弾力性を失わせます。そのような血管で血栓が起きやすい、それが心筋梗塞(心臓の冠状動脈)や脳梗塞(脳動脈)という生命危機につながるイベントを引き起こします。
リコピンは脂質代謝を高め、強い抗酸化力で血管内皮での酸化を予防します。それがリコピンの抗酸化力、活性酸素消去力です。リコピンによる予防効果はコレステロール(脂質)の代謝を高め、血液の粘度を下げてサラサラにし、血栓のできにくい血液にする働きです。その結果、アテローム性動脈硬化を予防し、イベント発症を予防するわけです。そして、リコピンがコレステロールの酸化を防ぐ働きこそリコピンのもっとも大きな特徴で、カロテノイドの抗酸化力といえるのです。毎日の食生活で抗酸化力が強いリコピンなど、カロテノイド成分を含む野菜をふんだんに摂ることが大切なのです。

*一重項酸素・・・細胞膜(壁)まで酸化してしまう、もっとも毒性が強い活性酸素。紫外線による日焼けは、紫外線によって一重項酸素をつくられる酸化といえる。一重項酸素を消去する機能成分はリコピン、ルティンなどのカロテノイドやビタミンA・Eなどの脂溶性ビタミン、エネルギー代謝でも重要な働きをしているコエンザイムQ10など。ポリフェノールやビタミンB・Cは水溶性成分のため、一重項酸素は消去できない。
                                   (第28回  完)

posted by 高原裕一 at 20:43| ダイエット&ウエルネス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月21日

第27回 リコピンフォーラム 「ただ生きるのでなく、よく生きる」

27回  『 ただ生きるのでなく、よく生きる 』

健康のまま天寿を全うするのは誰もの願いかもしれません。今回のフォーラムでは、健康に、ウエルネスに生きるということを少し考えたいと思います。


1. 感染症の克服と人生という時間の延長
戦後間もなく(50〜60年ほど前)、医療の大きな課題は感染症の治療でした。国をあげた公衆衛生(環境浄化)の取り組みで全国津々浦々に保健所が設置され、製薬会社では抗生物質の研究開発が盛んになりました。感染症はこの時代の国民病だったといえるわけです。
ここ20年、そうした取り組みや高栄養食品、健康保険制度、医師の増加もあり、感染症は静まり、抗生物質(抗菌薬)の開発も以前ほどニュースになりません。しかし、現代でもエイズ、C型肝炎、インフルエンザ、ノロウイルスなどのウイルス感染症、マラリア原虫や新規耐性菌など、私たちの周りで感染症の脅威が消えたわけではありません。ただ、治療薬(抗生物質)もなく、感染症を原因に亡くなる方が多かった
当時の平均寿命は50歳代後半ことを考えると、感染症はひとまず克服できたといえるでしょう。一方、この感染症の減少とともに平均寿命は右肩上がりに延長し続けてきて、この50年あまりの間、平均寿命では20年という人生という時間が延長したことになります。
人生という時間が80年といってもいい今、 長寿ゆえの病(病というより、生物としての老化)が 感染症に変わって国民病(糖尿病、高コレステロール血症、動脈硬化症、高血圧症、認知症、がん・・)といえる時代になっています。現在、私たちが病を考えるとき、感染症などの外敵ではなく、老化という、自らの内の、生物としての個について考える必要があるかもしれません。そして、その病、すなわち老化は、治すというより自らの老化に向き合う人生の時間といえるでしょう。2000年にWHOが提唱した「健康寿命」という概念は、病というより、この宿命ともいえる生物の老化にどう向き合い、前向きに人生を生きるか、そんな命題を提唱したといえるでしょう。人間にとって、病(老化)はもっともウエルネスの脅威であることはいつの時代も変わりません。

2. ただ生きるのでなく、よく生きる
数年前にお亡くなりになった 
藤澤令夫(ふじさわ のりお)というギリシャ哲学の先生(京都大学名誉教授)がいらっしゃいます。私は医療のフィールドで長く奉職していますが、ご縁があって生前に京都・松ヶ崎の先生のお宅に伺ったことがありました。その時、先生から古代ギリシャでプラトンやアリストテレスが「ただ生きるのでなく、よく生きる」という命題を議論ていたことを拝聞し、驚いたことを覚えています。「よく生きる」という命題は、今日「人生の質」(QOL)とよんでいる命題だからです。さらに、どう生きるかはどう死ぬかと表裏一体であること、哲学と医学の関係など、先生から1時間あまり拝聞しました。また、先生は、人の生命、人生に対峙する医療だからこそ哲学が大切だと思うともおっしゃり、医師のセミナーでご講演いただくことになりました。
「生きるとは、死ぬことと見つけたり」、江戸時代の葉隠(武士道)です。先生のお話を拝聞しながら、私は葉隠で顕された生きるという哲学を思い起こしました。人がどう生きるか、どう死ぬかという思考は非日常であり、藤澤先生との交流は貴重な時間でした。「ただ生きるのではなく、よく生きる」、プラトンやアリストテレスの古代ギリシャ時代から今日まで変わることのない、人が生きていく大切なエッセンスかもしれません。

藤澤令夫先生のセミナー講演 『自然哲学と西洋医学−漢方思想の逆照射のために−』 は「藤澤令夫著作集(全7巻)」(岩波書店)に収録されています。また、「よく生きることの哲学」(岩波書店)という単行本にも収録されましたので、興味ある方はぜひ読んでみてください。
** 藤澤令夫 1925年(昭和元年)生、京都大学文学部卒、京都大学教授、同名誉教授、京都国立博物館館長。紫綬褒章授章、勲ニ等瑞宝章授章。2004年(平成16年)没。専門はギリシャ哲学、西洋古典学。
主な著作は「藤澤令夫著作集(全7巻)」(岩波書店)のほか、単行本では「自然・文明・学問・科学の知と哲学の知」(紀伊国屋書店)「ギリシャ哲学と現代世界観のあり方」(岩波新書)」「世界観と哲学の基本問題」(岩波書店)「よく生きることの哲学」(岩波書店)など。また、主な共著は「哲学のすすめ」梅原猛・橋本峰雄・藤澤令夫(筑摩書房)、「知の発見・叡智」広中平祐・藤澤令夫(てらこや出版)など。
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3. 心身一元(一如)と心身二元
平均寿命が世界一になっても、50歳代、60歳代でお亡くなりになる方はいらっしゃいます。それも天寿、そう思うわけです。紀元前の古代ギリシャ時代の「ただ生きるのではなく、よく生きる」という命題は、この世に生を受けた人間の絶えざる苦悩になっているかもしれません。
「心身一如」(身心一如)という言葉があります。心と身体は一体、その調和=健康という考え方を背景にしています。古代ギリシャ哲学はその後さまざまな哲学(学問・研究)に枝分かれしました。デモクリトスという人は、この世に存在するものは全て原子という最小単位で構成されているとする「原子論」を唱えました(人間も原子の集合体)。そして、医学も哲学の一分野として枝分かれしました。アリストテレスと同時代を生きたヒポクラテス(医師)もプラトンやアリストテレスと同じように、人間は心という見えない、あやふやなものを持った複雑な物体と考えていました。すなわち、古代ギリシャ時代から原子論の再興のようにデカルトが登場するルネサンス期まで、西洋でも東洋でも同じように、人間は見えない心をもつ物体と考えられていたということになります。
西洋近代医学に最も影響を与えた哲学はデカルト哲学だといっていいでしょう。デカルトは「我思う、ゆえに我あり」に代表され、ご存じの方も多いと思います。見えるもの、認知できるもの(身)だけが存在している(ある)という考え方です。ですから、見えないもの(心・魂)、あやふやなもの(概念)は存在していない(ない)と考え、存在を客観化しようとしたのです。この考え方が物質科学だけではなく、人間を対象とする医学に大きな影響を与えたわけです。医学でも、人間の見えない、あやふやなもの(心・魂)は否定し、明確なもの(物体)を対象にするという考え方が支配的になり、客観的なもの(誰でも見える、共通する;臓器)だけが対象となり、医学の発展を押し上げたのです。
この考え方によれば、医学でも物体だけ(臓器)を考えればいいことになり、物体(臓器)が故障してるか調べる【検査】、物体(臓器)が故障していたら修理する【治療】、物体(臓器)が使えなくなったら取り換える【移植】という、現代医学の原型が生まれたわけです。こうして、西洋近代医学はあやふやさを捨て、二者択一的な、クリアな考え方をとることによって急速に発展したわけです。一方、東洋医学は人間のあやふやさ、見えないもの(心・気)の存在を本質的に認めます。今日も大変重視しますが、そこに西洋近代医学の考え方と大きな違いがあります。デカルトからニュートン(万有引力の発見)へ至る時代に確立された「デカルト・ニュートン哲学」は、近代科学や近代社会、そして近代医学の発展に最も大きな影響を与えた哲学といわれるのです。

4. 健康である、ウエルネスである
さて、私たちが健康であると思える自分はどんな自分でしょうか。痛いところがない、食事をしっかり摂れる、よく眠れる・・・と感じる自分でしょうか。健康を考えるとき、ほとんどの人は身体(物体)の状態がいいかどうかを考えるのではないでしょうか。
WHO(世界保健機関)は、『健康とは、単に病気ではない、弱っていないことではなく、肉体的、精神的、そして社会的に、すべて満たされた状態である』と定義しています。これは、医療(病気の治療)だけではなく、精神(心の)生活や社会生活(人との関わり)が健康を支える重要な視点であるということなのです。さらにWHOでは Dynamic State、またSpiritual ということを健康に盛り込む議論が続けられています。Dynamic State とは、健康と病気は段階的違いであると考えること、Spiritual は心豊かな生活をもつことといっていいでしょう。
既にお話しましたが、西洋近代医学は二者択一的であり、「病気か健康かのどちらか」と思考します。検査はその択一化のためにあり、「基準値を超えれば病気、基準値以下なら健康」と考えるわけです。それに対し、東洋医学は「病気と健康は段階的な違いである」と思考し、「病気ではないが健康ではない」、あるいは「未病」という病気であると診断することが普通にあります。また、東洋医学は、依然、人間は見えない心をもった物体と考えていて、あるがままの人間を観ているわけです。ですから、WHOの現在の議論とは、東洋医学(哲学)の本質を、いかに西洋近代医学と融合させるかという議論ともいえるように思えるわけです。
デカルト哲学によって急速に発展した西洋近代医学は今、転換点にあるといっていいと思います。私たちは「病は気から」という言葉があるように、心の状態、心のあり様が病気の発症にも関わっていることを学んできました。ハルバート・ダン博士が提唱した「ウエルネス」の言葉は私たちの健康が身体(物体)のみにあらず、豊かな精神生活(心の生活)あってこそもたらされるものであることを見事に示した、感動あふれる言葉だと思います。
古代ギリシャ時代のプラトンやアリストテレス、ヒポクラテスの時代に、見えない、あやふやさ(心)をもつ人間観は確立していました。だからこそ「ただ生きるのではなく、よく生きる」という命題に苦悩したわけです。ルネサンス期という時代に登場したデカルト・ニュートン哲学によって物質万能時代(人間も物質・原子)に移行したかのようですが、今、古代ギリシャの人間観に戻り、「ただ生きるのではなく、よく生きる」という命題を考えることは、よく生きるための精神生活、心豊かな時間、そして心身のウエルネスをもたらすのではないか、そう思うわけです。                                           
                                           (第27回 完)
posted by 高原裕一 at 18:36| ダイエット&ウエルネス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月02日

第26回 リコピンフォーラム 「リコピンLyc-O-Mato科学・技術セミナー(3)」

第26回 『 リコピンLyc-O-Mato科学・技術セミナー(3)』

1. 米国FDAが唯一認めるリコピンエキス
さて、今回は品質に関連する研究報告です。リコピンは食品ですから、まず「安全、安心できる品質」が第一に問題となります。リコピンエキスは天然トマト6トン(t)から1トンのトマトペースト、そこから0.3トンのリコピンエキス粉末ができるとされます。ライコマート(Lyc-O-Mato)は米国FDAが唯一承認したリコピンエキスですが、ライコレッド社はFDAの基準を超える自主基準を定める世界No1リコピンメーカーです。(cf.  残留農薬:FDA基準25ppm以下 ⇒ ライコレッド社基準3ppm以下)
リコピンエキスの製造は@トマトを砕いてパルク化工程 A脱酸素化工程 B乾燥化工程などがありますが、この過程でリコピンも酸化分解されて、トマトに含まれるリコピンの半量程度しか最終的にはエキス化できません。ライコレッド社はトマトに含まれるリコピンを安全で効率よくエキス化する独自の先端技術(米国・EU特許技術)をもっています。この技術によってリコピンの酸化分解を抑制し、高品質なリコピンエキスを抽出・製造しています。そのため、ライコレッド社はトマトの種子の選別から最終エキス製品まで一貫した技術工程を確立し、トマト1トンから1kgのリコピンエキスを製造しています。残留農薬も2ppm以下となっており、FDA基準よりさらに厳しい品質管理がなされています。

2. リコピンエキスの安全性と製造技術
リコピンエキスを抽出するために塩素系薬物を溶媒にしてエキス収量を高めている企業が多いのですが、ライコレッド社は酢酸エステルを溶媒に用いて、安全性の確保、リコピンの酸化分解を抑制しています。そうした技術の蓄積があって、FDAが唯一承認するリコピンエキスが生まれているわけです。
例えば、食品として市販される中国産リコピンエキス、インド産リコピンエキス4種の分析結果で、残留農薬がいずれもライコマートの10倍以上、残留溶媒は100倍などという、品質管理が疑問とさえいえるリコピンエキスがあるわけです。また、リコピンを二酸化炭素(CO2)や塩素系溶媒で抽出するメーカーが多いことも共通しています。さらに、安全性試験、毒性試験も行われていない(公表されているデータがない)など、品質管理面で大きな違があるのです。
FDAの基準をクリアするためには酢酸エステルによる抽出技術の確立が必要です。また、安全性とともにリコピンエキスの細粒化技術も必要です。ライコマートは粒子径が3ミクロンという基準値であり、60~120ミクロンの中国産やインド産リコピンと大きく異なっています。このことはリコピンが吸収されるか、体内で利用できるか(バイオ・アベイラビリティ;体内利用率)に直結し、極めて重要な問題になっています。一般には60ミクロン以上は体内利用できないとされているためです。
こうした観点を前提にしたとき、日本ではライコマートのほかに中国産、インド産リコピンが極めて低価格で販売されていますが、米国には中国産、インド産のリコピンはありません。FDAの品質基準をクリアできないためです。
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3. リコピンの活性メカニズム
リコピンはフィトエン・フィトフルエン(同じカロテノイド成分)との相乗作用で活性化すことがわかっています。すなわち、リコピンだけではほとんど活性化しないということです。ですから、
リコピンの配合量だけを高めても意味はなく、フィトエン・フィトフルエンを同時に配合する必要があるのです。ライコレッド社の研究では、リコピン:フィトエン+フィトフルエンの配合比が1:1で最も活性が高まることが臨床的に確認されています。(皮膚の紫外線による紅班形成の防御研究、1回15mg×2回 1日30mg服用)

4. 病気予防を考えたカロテノイドバランス
ライコレッド社では、A 心・血管系病 B 皮膚系病 C 男性系病 D 抗酸化ストレス防御に分類して、リコピンとカロテノイド成分の活性化、すなわちその配合バランスの研究を進めています。
A 心・血管系(血圧)・・・・・リコピン:フィトステロールを1:1とし、+ビタミンE+β-カロテン+フィトエン+フィトフルエン
B 皮膚系(紅班)・・・・・・・・リコピン:フィトエン+フィトフルエンを1:1とし、+ビタミンE+β-カロテン
C 男性系(前立腺)・・・・・・リコピン:ビタミンEを1:1とし、+フィトエン+フィトフルエン+βカロテン+フィトステロール
D 抗酸化ストレス防御・・・リコピン:ビタミンE:フィトエン+フィトフルエンを1:1:1とし、+β-カロテン
この配合比の研究は、最もリコピン活性が高まり、予防効果につながると考えられるカロテノイドバランスです。

5. Lyc-O-Matoリコピンの特長
@ライコマートリコピンは、米国FDAが食品成分で唯一認可しているリコピンエキスである
Aバイオ・アベイラビリティ(体内利用率)が他社製品より30%以上高い
Bリコピンの活性を高めるトマト成分フィトエン、フィトフルエン、ビタミンEを含む複合エキスである
C塩素系溶媒を使用せずに抽出するため、安全性が極めて高い製品である
D安全性試験と毒性試験を適切に実施し、品質データが蓄積され、公表されている

以上、2013年のライコマートリコピンセミナーを3回にわたって報告してきました。
昨年12月初旬、リコピンを配合した「夜飲めば朝ダイエットする」と宣伝する、若い女性に有名なデキストリンサプリメントが消費者庁の是正勧告(行政処分;過大広告)を受けました。リコピンは貴重な天然カロテノイド成分であり、ダイエットに役立つ成分です。しかし、リコピンだけではその機能が働かないこと、他のカロテノイド成分や油性成分が活性化に必要であることフォーラムでも再三お伝えしてきました。リコピンは天然薬物に最も近い食品成分(カロテノイド)といってもいいと思いますが、それを健康に役立てるために、製品設計が極めて重要になるわけです。今回、
消費者庁から是正勧告を受けた疑似リコピンサプリ(すなわちデキストリンサプリメント)は、消費者が最も必要な情報であるデキストリン(デンプン繊維質成分)に関してまったく情報提供せず、一部配合したリコピンだけ根拠もなく過大に宣伝していたわけです。その企業姿勢には問題があるといわねばなりません。リコピンスペシャリストとして私も大変残念な事件だと思っています。
                                             (第26回 完)
                                                 (第26回 完)
posted by 高原裕一 at 10:20| サプリメント&健康食品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月24日

第25回 リコピンフォーラム 「リコピンLyc-O-Mato科学・技術セミナー(2)」

第25回 『 リコピンLyc-O-Mato科学・技術セミナー(2)』

引き続き、セミナーでの心血管系の病気予防に関連する研究について報告します。

1. カロテノイド成分と予防医学
イスラエルのベングリオン大学・Yoav Sharoni教授からは、日本とヨーロッパの注目すべき研究報告がありました。 
日本の3,061人の大規模なコホート研究において、カロテノイドを多く含む食事をしている人は心血管系イベントの発症も低いという報告がありました。心血管系イベントの基礎疾患の代表は高血圧です。ただ、高血圧症の半数の人は血圧がコントロールできていないことが日本の学会でも報告されています。ですから、食事からのカロテノイド摂取は高血圧症の管理にも役立つといえるでしょう。
血液中のα-カロテン量が低い人は0.17%の人が心血管系イベントを発症し、血液中のα-カロテン量が高い人はそれが0.11%、同様にΒ-カロテンでは0.97%と0.43%、リコピンでは0.37%と0.26%というように、総じて血液中のカロテノイド量が高い人は心血管系イベントを発症する率が低いわけです。

先日、諏訪中央病院名誉院長の鎌田實先生がテレビの放送で、食品中のカロテノイドを意識した毎日の食生活が大切なことであり、それが動脈硬化の予防につながると強調されていました。
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2. リコピンの酸化LDL抑制効果
また、ヨーロッパの10カ国の研究(EURAMIC研究では、心筋梗塞後の脂肪組織検査による結果から、リコピンのイベント発症抑制効果を確認しています。これによると、α-カロテンの摂りすぎはかえってイベントを高め、Β-カロテンは20%低下させ、リコピンでは50%以上低下させたと報告されています。特に、酸化LDLは内包を活性化し、平滑筋を増殖させ、マクロファージを泡沫化させて動脈硬化を促進します。リコピンはそうした酸化LDLの合成を抑制することが報告されています。
酸化LDLは、健康な人を100としたとき、糖尿病で130、冠状動脈硬化で200などと高く、高脂肪食はこの酸化LDL化を促進することもわかっています。そうした酸化LDL化の予防が高血圧をはじめ、心血管系イベントの抑制につながるため、リコピンによる予防効果が注目されています。
血圧は120(収縮期)−80(拡張期)が正常値とされ、140−90が第1ステージ、160−100が第2ステージとして分類されています。そして、140未満−90未満は前ステージであり、この数値の予防が大きな課題となっているわけです。この予防でリコピンが注目され、リコピンでこの範囲をコントロールできるかどうか、効果がプラセボとのクロスオーバー試験で示されています。

クロスオーバー試験・・・プラセボを服用後リコピン服用に変えたときの結果、リコピン服用後プラセボに変えたときの結果との間に関連性が認められること。いずれも、リコピンの服用で血圧は低下した。

このときリコピン摂取による血液中の酸化LDLの合成低下が確認されています(一日量12mg以上の服用で差が認められた)。ただ、2ヶ月以上の服用が必要とされています。現在、高血圧症の治療は半数の人がコントロールされていないという現状があり、特に140−90の治療戦略(予防)が急務となっているため、天然リコピンの摂取に大きな期待がもたれていることが示されました。以前、カロテノイド成分は天然の成分でもっとも薬に近いことをお伝えしましたが、カロテノイド成分の代表、リコピンは世界的に、予防医学の分野でも大きな注目を集めるようになっているのです。
                                           (第25回 完)


posted by 高原裕一 at 14:42| サプリメント&健康食品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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