2014年03月21日

第30回 リコピンフォーラム「リコピンサプリ−リコピン&オリーブ油」

第30回 『 リコピンサプリ−リコピン&オリーブ油 』

1. なぜ、リコピンサプリが注目されるのか
「寝ている間に勝手にダイエット」などと違法に宣伝していた「夜スリムトマ美ちゃん」というサプリメントがあります。このサプリは錠剤のため、オリーブオイル(油脂)は配合されていません。リコピン(カロテノイド)は脂溶性であり、吸収されるためには油脂が必要ですので「夜スリム・・・」ではリコピンを吸収できません。リコピンの吸収にはオリーブオイル(油脂成分)が必要であることはこのフォーラムで再三お伝えしている通りです。
さらに、「夜スリム・・・」は「デンプンと繊維質(難消化性デキストリン・還元麦芽糖・キャンドルブッシュ)」を主成分とし、それら成分での整腸改善や便通促進を期待し、錠剤で設計しているとわかります。そこにリコピンを配合しても、油脂はなく、リコピンの機能は生かされません。なぜ、リコピンを配合したのか、目的と設計根拠がまったく不自然です。
この企業では今回の行政処分を機に、設計目的、成分情報を消費者にきちんと説明する必要があるといえます。
さて、リコピンなど、カロテノイド成分は植物(野菜)の色をつくりますカロテノイドはβ-カロテン(ニンジン・カボチャ)がよく知られていますが、私たちの体内にあるいちばん多いカロテノイドはリコピンであることはあまり知られていません。そして、このリコピンの最大の機能は「抗酸化力、脂質代謝力」です。日焼け(=火傷)、がん、動脈硬化症、脂質代謝異常症など、病気の発症には活性酸素が関与していることがあります。日々の食生活で抗酸化力のある野菜(トマト・ブロッコリー・ニンニク・タマネギ・アスパラガスなど)を意識して摂り、動物油脂(飽和脂肪酸)を控えめにする、それが食生活の健康維持、予防医学ではもっとも留意するべきことです。米国では、一日の動物油脂(お肉)摂取量の25%程度を植物油脂に変えることで体内酸化を予防できると報告されています。そして、ジャンクフード・コンビニフード・ファストフードは動物油脂だけでなく、もっとも酸化しやすい低質油脂(パーム油など)、さらに合成油脂(トランス脂肪酸)も使われますので極力控えるようにしましょう。

2. 活性酸素とリコピン
現代社会は活性酸素があふれる社会です。オゾン層破壊による強い紫外線照射はじめ、電化製品(電磁波)や排気ガス、タバコ、合成洗剤、化粧品など。さらに酸素で生命活動エネルギーをつくる人間(哺乳類)は常に酸素を過剰にとりこみ、活性酸素から逃れることができません。ですから、活性酸素の被害、誘発を防御するライフスタイル(生活習慣)を意識することが大切になります。リコピンの抗酸化力と脂質代謝力に注目が高まり、リコピンを「配合した」サプリメントも増えています。ただ、「リコピンの機能(働き)はオリーブオイル(油脂)とセット」 であることを理解する必要があります。リコピンは日常の食品成分でもっとも活性酸素との反応力(抗酸化力;活性酸素消去力)が強いのですが、抗酸化機能を期待するためには毎日トマトを5個程度、油脂(オリーブオイル)とともに食べる必要があります。病気との関連でも、トマト5個分(リコピン20mg/Day)で一定の予防効果があるとの報告があります。トマトを毎日5個というのはちょっと大変ですから、良質な天然リコピンのサプリメントを摂るのがいいでしょう。この場合、リコピンの名称だけで選ぶことがないよう十分注意してください。リコピン(カロテノイド)がもつ機能を生かす製品設計がきちんとされているか」 が選択のカギです。ですから、「宣伝広告ではなく、製品情報を読む」必要があります。それがリコピンサプリを選ぶ第一のポイントです。特に、錠剤で設計される(オリーブ油を配合していない)製品はリコピンサプリメントといえませんので注意が必要です。
 
 110_F_15990377_Ivfb6Wl2fHst5RrTimvi35oMUy4Lfinn.jpg  121-52458.jpg   main.jpg 350069a4.jpg
3. リコピンサプリの 「ゴールデン・ルール(黄金律)」
リコピンを配合し、リコピンを看板(製品名)に宣伝する 「疑似リコピンサプリ」があります。話したように、リコピン(カロテノイド成分)は油脂に溶ける成分
ですから油脂(オリーブオイル)が必須成分です。地中海料理は 「トマト&オリーブオイル」 がベースです。また、トマトを食べるときもオリーブオイルやドレッシング、マヨネーズでいただくのが必須です。トマトジュースに油脂はありませんので、飲んでもリコピンは吸収されません水で分解されない植物(野菜)化学成分(フィトケミカル)がリコピン、カロテノイド成分の特徴であることを知っておいてください。
ですから、「リコピンを摂る」 サプリとして  「リコピン&オリーブオイル(油脂)」という基本設計は必須なのです。これは「リコピンサプリ」のゴールデン・ルール(黄金律)」であると知りましょう。そのため、オリーブオイル(液体)を配合できない 「錠剤」 で設計されたデンプン系・コラーゲン系 「疑似リコピンサプリ」 は、リコピンを配合してもリコピンを摂るサプリメントにはならないわけです。リコピンサプリの選び方としてこのゴールデン・ルールを知っていることが大切です。

このフォーラムの第8回〜13回で、リコピンサプリを選ぶポイントやリコピンサプリと疑似リコピンサプリについて解説していますので、あわせて確認してください。リコピンサプリとして設計されている製品はそれほど多くなく、リコピンを配合しただけの疑似リコピンサプリが多くなっています。

4. オリーブオイル(ω9系・一価不飽和脂肪酸)
油脂は酸化しやすいという性質があります。特に、植物油脂でもヤシ油、パーム油は動物油脂と同様の低質の油脂です。いずれも洗剤や石鹸など界面活性剤で利用され、一部が食物油脂で利用されています。そして、安価なサプリメントはこのパーム油を配合したものが多く、注意が必要です。パーム油は融点が高く(50〜60℃)、通常温度では動物油脂と同じく固型です。オリーブオイルなど植物油脂は融点が低く、通常温度では液体です。もちろん、動物油脂はコレステロールの生合成に必要ですが、同時に脂質代謝異常症にを増幅する脂質は動物油脂などの飽和脂肪酸であることは知っておいてください。飽和脂肪酸は活性酸素と結びつきやすい(酸化LDLコレステロール)のです。
また、ほとんどの植物油は「種の油」ですが、オリーブ油だけ「実の油」であること、オリーブ油は「生食で摂ることのできる植物油」であること、それがオリーブ油の大きな特徴です。また、成分のオレイン酸は必須脂肪酸ではありませんが、他の油脂と異なって腸管(小腸)で吸収されにくく、油膜をつくって便通を促進することがわかっています。ですから、「リコピン&オリーブオイル」のゴールデン・ルールで設計されている正しいリコピンサプリには、整腸や便通改善、ダイエット効果があります。そして、オリーブオイルのカロリーは他の植物油と同様でありながら脂肪(中性脂肪)になりにくいのです。オリーブオイルは朝食(パン)でもっと利用するべき油脂だといえます。バター、マーガリンよりもヘルシーです。
オリーブオイルは脂肪になりにくい、腸管潤滑・整腸作用がある、ビタミンEを多く含むなど
、健康と美容のために必須の天然油脂成分だといえるのです。

*オリーブオイル&リコピンのゴールデン・ルールに関し、第17回フォーラムでも解説していますのであわせて読んでください。

5. リコピン(カロテノイド成分)を健康に生かす
リコピンの名称をつけた「疑似リコピンサプリ」の問題を少しお話しします。大手トマト食品企業も「疑似リコピンサプリ」を販売していて、これは大変困った問題だと思っています。この企業では正統派リコピンサプリを販売しています。そして、リコピンはオリーブオイルと一緒に摂ることで吸収されると学術情報(研究結果)ページで公表しています。それによると、オリーブオイルがあることでリコピンの吸収が高まる(4倍以上)としていますその一方、オリーブオイルを配合せずに錠剤で設計し、主成分はコラーゲン(たんぱく質)であるというサプリにリコピンを冠した 「疑似リコピンサプリ」を販売しているのですまったく矛盾した企業行動だと思うわけです。自社の正統派リコピンサプリをきちんと消費者に啓蒙せず「疑似リコピンサプリ」を宣伝しているというトマト食品企業です。この企業は健康、予防医学としてリコピンの学術情報を消費者に啓蒙すべき社会的責任があるといっていいと思うわけです。そうした啓蒙活動によって「夜スリムトマ美ちゃん」の違法宣伝にも消費者がリコピンを正しく理解し、冷静な判断をできるようになるからです。
なお、この企業の「正統派リコピンサプリ」はゴールデン・ルールに従って設計され、信頼できるリコピンサプリだといえるでしょう。リコピンを冠しただけの「疑似リコピンサプリ」はリコピンを摂るための製品設計がなされていないわけです。植物酵素を配合してみたり、デンプン(デキストリン)やコラーゲンを配合してみたり、ビタミンを配合してみたり・・・リコピンを摂るための設計根拠が見いだせません。単に多成分を配合しただけという、サプリメントとして意味がありません。あたかも日々の食生活をないがしろにして、サプリメントから栄養摂取を推奨しているかのようです。
サプリメントは「栄養補助食品」それをもう一度考えておきたいわけです。日々の食生活はじめ、ライフスタイルを点検し、それを補うために適切なサプリメントを補助食品として利用する、その視点がサプリメント選びに必要です。ライフスタイルに必要な栄養機能を補強するサプリメントの本質を忘れず、宣伝広告よりも製品情報をしっかり読み、必要なサプリメントを選んでいただきたいと思います。
                                              (第30回 完)



posted by 高原裕一 at 19:33| サプリメント&健康食品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。