2013年11月24日

第25回 リコピンフォーラム 「リコピンLyc-O-Mato科学・技術セミナー(2)」

第25回 『 リコピンLyc-O-Mato科学・技術セミナー(2)』

引き続き、セミナーでの心血管系の病気予防に関連する研究について報告します。

1. カロテノイド成分と予防医学
イスラエルのベングリオン大学・Yoav Sharoni教授からは、日本とヨーロッパの注目すべき研究報告がありました。 
日本の3,061人の大規模なコホート研究において、カロテノイドを多く含む食事をしている人は心血管系イベントの発症も低いという報告がありました。心血管系イベントの基礎疾患の代表は高血圧です。ただ、高血圧症の半数の人は血圧がコントロールできていないことが日本の学会でも報告されています。ですから、食事からのカロテノイド摂取は高血圧症の管理にも役立つといえるでしょう。
血液中のα-カロテン量が低い人は0.17%の人が心血管系イベントを発症し、血液中のα-カロテン量が高い人はそれが0.11%、同様にΒ-カロテンでは0.97%と0.43%、リコピンでは0.37%と0.26%というように、総じて血液中のカロテノイド量が高い人は心血管系イベントを発症する率が低いわけです。

先日、諏訪中央病院名誉院長の鎌田實先生がテレビの放送で、食品中のカロテノイドを意識した毎日の食生活が大切なことであり、それが動脈硬化の予防につながると強調されていました。
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2. リコピンの酸化LDL抑制効果
また、ヨーロッパの10カ国の研究(EURAMIC研究では、心筋梗塞後の脂肪組織検査による結果から、リコピンのイベント発症抑制効果を確認しています。これによると、α-カロテンの摂りすぎはかえってイベントを高め、Β-カロテンは20%低下させ、リコピンでは50%以上低下させたと報告されています。特に、酸化LDLは内包を活性化し、平滑筋を増殖させ、マクロファージを泡沫化させて動脈硬化を促進します。リコピンはそうした酸化LDLの合成を抑制することが報告されています。
酸化LDLは、健康な人を100としたとき、糖尿病で130、冠状動脈硬化で200などと高く、高脂肪食はこの酸化LDL化を促進することもわかっています。そうした酸化LDL化の予防が高血圧をはじめ、心血管系イベントの抑制につながるため、リコピンによる予防効果が注目されています。
血圧は120(収縮期)−80(拡張期)が正常値とされ、140−90が第1ステージ、160−100が第2ステージとして分類されています。そして、140未満−90未満は前ステージであり、この数値の予防が大きな課題となっているわけです。この予防でリコピンが注目され、リコピンでこの範囲をコントロールできるかどうか、効果がプラセボとのクロスオーバー試験で示されています。

クロスオーバー試験・・・プラセボを服用後リコピン服用に変えたときの結果、リコピン服用後プラセボに変えたときの結果との間に関連性が認められること。いずれも、リコピンの服用で血圧は低下した。

このときリコピン摂取による血液中の酸化LDLの合成低下が確認されています(一日量12mg以上の服用で差が認められた)。ただ、2ヶ月以上の服用が必要とされています。現在、高血圧症の治療は半数の人がコントロールされていないという現状があり、特に140−90の治療戦略(予防)が急務となっているため、天然リコピンの摂取に大きな期待がもたれていることが示されました。以前、カロテノイド成分は天然の成分でもっとも薬に近いことをお伝えしましたが、カロテノイド成分の代表、リコピンは世界的に、予防医学の分野でも大きな注目を集めるようになっているのです。
                                           (第25回 完)




posted by 高原裕一 at 14:42| サプリメント&健康食品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月03日

第24回 リコピンフォーラム 「リコピンLyc-O-Mato科学・技術セミナー(1)」

第24回 『 リコピンLyc-O-Mato科学・技術セミナー (1)』

10/24、世界最大のリコピンメーカー、ライコレッド社の「第10回リコピンLyc-O-Mato科学・技術セミナー」が開催されました。昨年に引き続いて私も参加しましたので、今回から3回にわたって概要を報告します。ライコレッド社はトマトのカロテノイド成分であるリコピンの機能性に注目し、早くからリコピン研究を進めてきたリコピン世界No1企業です。その研究から生まれた、もっとも効果的なリコピンエキスLyc-O-Matoを世界の名だたる食品企業(スターバックス社、デルモンテ社他)に供給しています。世界の大学や研究機関と数多く共同研究を進めており、今回のセミナーでも注目される報告がありました。

1. 天然成分(野菜)の効果
多くの天然成分を含む
野菜などは、Aという機能成分が働くためにそれを助けるBという成分が含まれることを知っている必要があります。漢方薬も天然物(薬用植物)の組み合わせですから同様です。漢方薬は薬用植物に含まれる天然成分の集合体で、一つの薬用植物に含まれる成分も10、20・・・と実に多いわけです。そうした成分を含んだ薬用植物が5種類、10種類集まったものが一つの漢方薬になっています。代表的漢方薬の 「葛根湯(かっこんとう)」は7種の薬用植物で構成された一つの薬ということになります。そして、7種の薬用植物それぞれが10成分含むとすれば70成分(7×10)になります。この多成分系というのが漢方薬の特長でもあり、その多成分の相互作用、相乗作用で一つの漢方薬の効果が発現します。そして、「葛根湯」は葛(くず)の根に含まれる薬用成分(カッコン)が主成分、そのカッコンの機能を役立てるためには他成分が必要なのです。
天然物(薬でも、食品でも)は多くの成分が協力しあって機能を発揮するのが共通しています。それに対して、新しく人工合成された物質(薬・食品添加物・化粧品など)では、たった一つの成分(合成成分)であることが共通しています。
リコピンはトマトに含まれる天然成分の一つ(カロテノイド)です。ところが、リコピンの機能(抗酸化機能や脂質代謝調整機能)はリコピンだけでは働かないこともわかっています。トマトに含まれる他のカロテノイド成分(フィトエンやフィトフルエン、β-カロテン、フィトフルエン、フィトステロール)やビタミンEがあって初めてリコピンのもつ機能が働くわけです。
これは、トマトにリコピン以外にもカロテノイド成分が含まれ、そうした成分もリコピンが働くために必要な成分であるということです。ですから、天然成分では漢方薬と同じ考え方が必要です。ビタミンCやEも(一つの成分)、体やお肌にいいからとそれだけたくさん摂っても意味はないわけです。このことは(以前もこのフォーラムでお話しましたが)、トマトをサラダで生食してもリコピンはほとんど吸収されないことに関係します。リコピンは油脂成分(オリーブオイル)があって初めて分解、吸収され、機能を発揮するからです。特にリコピンサプリメントの製品設計では、リコピンが吸収され、機能を発揮できる製品設計がもっとも大切であるといえます。
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2. 酸化ストレスとリコピンの抗酸化力
今回の科学・技術セミナーではこのフォーラムで何度もふれているリコピンの単独摂取と「リコピンフィトエン・フィトフルエン・β-カロテン・フィトステロール」の複合リコピンの吸収力の違いについても発表がありました。佐藤充克先生(信州大教授)から発表されたLyc-O-MatoリコピンのDNA(遺伝子)損傷の予防効果脂質代謝改善を通じた肥満予防効果の報告です。酸化ストレス、特に紫外線や放射線、激しい運動によって体内では活性酸素が誘発され、DNAやたんぱく質、脂質を変性させますが、Lyc-O-Matoリコピンがその損傷を抑制しているという研究報告です。

1)14歳〜46歳の15人を対象に、リコピン15mgを摂取後、自転車で20分運動した後の尿中8-oxo-dG(酸化ストレスの指標)に関連する報告です。DNA(遺伝子)は一日50万回も変異して自己修復されますが、紫外線や放射線による酸化ストレスによって体内に8-oxo-dGという酸化物が生じます。この8-oxo-dGという酸化物は血液中で代謝されず、そのまま尿として排出される物質です。そのため、酸化ストレスの程度を示す指標(マーカー)とされています。
今回の研究報告では、リコピンを摂取してから自転車で20分運動した後、尿中の8-oxo-dGが極めて低値であったこと、リコピンを摂らない人は高値であったことにより、Lyc-O-Matoリコピンが体内の酸化ストレスを防御していることが示唆されています。

2)13-oxo-ODA(京大・河田教授らの研究)がPPARα(ピーパー)を活性化させることが報告されました。PPARαは脂質代謝を調節していますが、このPPARαが活性化することで酸化ストレスを防御し、中性脂肪(トリグリセリド)を低下させているという報告です。ただ、このPPARαという物質はトマトそのものに含まれず、トマトジュース、トマトペースト、トマトエキスなど、トマトの加工過程で生成される物質です。Lyc-O-Matoリコピンに活性化されたPPARαが豊富に含まれていることが確認されています。

3)リコピンが精子のDNA断裂を予防するという最新報告です。精子は非常に酸化ストレスに弱いのですが、近年、精子の減少による不妊が大きく取り上げられています。精子数500万未満(1ccあたり)の30人を対象にした研究で、リコピンの服用によって20人に精子増加が認められ、そのうち16人は平均2,200万(4倍)に増加したこと、精子の運動能力が25%以上高まったこと、精子の形態も改善したことなどが報告されました。この研究から、リコピンが精子のDNA断裂を予防していると考えられること、日本人は欧米人に比べ、体内のリコピン量が少なく、リコピンの効果がさらに高まることが示唆されています。 

これら研究は、複合リコピン(リコピンフィトエン・フィトフルエン・β-カロテン・フィトステロール・ビタミンE)であるLyc-O-Matoリコピンの研究です。リコピン単独ではこの結果は示されていません。
                                           (第24回 完)



posted by 高原裕一 at 18:00| サプリメント&健康食品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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